祖母の葬儀の日。 前日の寒さが嘘のような好天で春の陽気さえ感じます。 祖母が生前準備しておいてくれた麻の白装束(長着・道服・馬乗り袴)を身につけます。 この道服とはマチの部分がヒダになっている羽織で、乳(チ)がなく結び紐がついています。 足元は白足袋に草蛙。 この草蛙は火葬場に捨てて来る習わしです。 映画「たそがれ清兵衛」の冒頭に葬儀のシーンがありますが、あの時のかみしもが道服になっただけです。 明治以前の日本では喪には白を着る習慣でしたが、西洋文化が広まるにつれ黒服をまとうようになりました。 富山では喪主と妻(今回は母)が白いきものを着る習わしが残っています。 葬儀を無事終えて出棺し、無理を言って霊柩車に自宅の後ろを通ってもらいました。 最後に祖母に我が家を見せたかったからです。 西町通りはつごもり大市の為通行止めでしたが、東町側から家を見る事ができました。 黒紋付羽織袴に着替えて、初七日法要をします。 すべてが終わり遺骨を家へ持ち帰ったときに、さほど広くもない部屋ががらんとしてしまったことに気づきました。
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2004年2月28日(土)
No.196
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