「美しい装いきよべ」店長のきもの日記 過去ログ2003年10月

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タペストリー・メッセージ展
 じょうはな織館1Fギャラリーで"TEXTILE EXHIBITION タペストリー・メッセージ展 "が始まりました(11月30日まで) 加藤祐子さん、小山三千子さん、下村好子さん、豊田栄美さん、藤本節子さん、山下郁子さんの6人の女性染織作家の作品展です。 山下さんは地元城端、豊田さんと藤本さんは富山、そして最初の3名は北海道の方です。
 大作が揃っていて、しかも作風がそれぞれ異なるので楽しめました。 写真は加藤さんの「雪解けの時」(W2000×H2250 ウール・モヘヤ・ラミー麻)です。 ご本人のコメントを引用します「白いウール部分はテクニックとしてはシャギー織です。動き出した雪を表してみました。ブルーからグリーンの糸の部分は、毎日見ている日本海の春のイメージです」
【じょうはな織館】http://www1.tst.ne.jp/ori/ (入場無料・水曜休館)
 今日は茶縞のウールに焦げ茶の半衿、黒の角帯に薄茶の帆布袴、茶の足袋に、茶色の鼻緒の右近下駄です。
2003年10月31日(金)  No.65

歯が抜けた
 6歳の子は歯の生え変わりの時期で乳歯が順番に抜けています。 最初に抜けたときは「おめでとう」と声をかけてやったらとても喜んでいました。
 みなさんのところでも同じだと思うのですが、下の歯が抜けたら上へ、上の歯は下へほうり投げます。 写真は今まさに上へ投げようと構えた瞬間です。
 来春小学校に入学するのですが、先般の説明会に学校へ行ったら、翌日から小学生なんだと勘違いして大はしゃぎ。 可愛いものですね。
 きょうはグレー系の木綿の袷、裏は黒に近い茶色の金巾です。 半衿はくすんだたまご色、裂き織りの角帯をへたれ結びにして、縞の長胴着を羽織りました。
【古着を胴着に改造】http://www.craft-ran.com/wa/dougi.html
2003年10月30日(木)  No.64

田んぼの学校 その6 脱穀ともみすり
 子どもたちが収穫した稲が干せました。 朝から学年総出で脱穀とモミすりをします。
 本でしか見たことが無い千歯扱(せんばこき)や足踏み式脱穀機。 さらに見たことも聞いたこともないゴミを飛ばす唐箕(とうみ)。 みなさん納屋に保管してるんですねぇ…ビックリ。 そして、もみすり用のすり鉢…と沢山の機材(?)が学校に集まりました。
 子どもたちは大喜びです。 それもこれも今回お世話いただいた6人の地域の先生方(おじいちゃん・おばあちゃん)のおかげです。 「生きる力」を学べる学校だと思います。
 写真は足踏み式脱穀機を使っている様子です。
【唐箕】http://www.jakodaira.com/Korenarni/002/newpage3.htm
 今日は大島の袷に黒に近い茶の半衿。 辛子の角帯に帆布の袴。 寒いので茶色の足袋を履きました。
2003年10月29日(水)  No.63

三浦雄一郎講演会
 11月8日(土)午後2時から城端中学校にて、あの三浦雄一郎さんの講演会を開催します。 タイトルは『少年よ大志を抱け!〜夢に勇気を〜』 教育委員会とPTA合同開催ということでお手伝いをしております。 夜に最終の打ち合わせがありました。
 ご存知のように三浦さんといえば、エベレスト登頂の最高年齢記録を打ち立てた方で、いまマスコミ等で連日報道されています。 どなたでも無料でご聴講いただけますので是非聞きにいらしてください。
 写真は小・中学生向けに作ったパンフレット(クリックで拡大)です。
詳しくは http://www.craft-ran.com/pdf/miura.pdf
      記
 11月8日(土) 午後2時より(開場1時30分)
 会場 城端中学校体育館 国道304号線交差点を西に200mです。
【城端中学校】http://www.tym.schoolnet.gr.jp/~johana-j/frame.html

 きょうは厚手木綿にレンガ色の半衿、薄茶の袴腰なしの袴に兵児帯で気楽に…。
2003年10月28日(火)  No.62

 飯山にお住まいの高橋まゆみさんの人形展「故郷からのおくりもの」を見に松任まで往復しました。 季刊誌「銀花」で知って以来、会いたくて会いたくてたまらなかった、おじいちゃんおばあちゃんの人形展です。 期待以上に素晴らしく、ショッピングセンターの一角が別世界に変貌してました。
 しかし、楽しみにしていた人形展なのに会場に入った途端、家に帰りたくなりました。というのも、家で寝たきりになっている95歳の祖母の顔を思いだしたからです。 「人形に囲まれた懐かしい空間にもっといたい」と「早く帰って祖母の顔を見たい」という二つの気持ちが葛藤しましたが、「これで見納めかも…」という気持ちが勝って、結局1時間も長居しました(写真をクリックすると拡大)。
 同会場で86歳の記録映像作家、増山たづ子さんの「故郷」写真展も開催されていて、ダムに沈む徳山村の人々の日常生活をスナップしてました。 大人も子どももみんないい顔をしています。
 二つの作品展を見て、自分はあんなにいい表情をしているだろうか? と自問しました。 40年生きてきたけどあんな表情はできてないのが恥ずかしいです。
【高橋まゆみ〜創作人形の世界〜】http://www.1-light.com/dollart.htm
2003年10月27日(月)  No.61

道谷の紅葉
 10/24の日記に書いた平村ドウダンの紅葉を見てきました。
 国道304号線の五箇山トンネルを抜けてすぐ右折し、たいらスキー場方面へ、スキー場には上らずに右側の旧304号線を走るとすぐに両わきに見事な紅葉の山が見えます。 今年は黄みが強いように感じました。
 穴場なんですが、日曜日ということもありチラホラと人が訪れていました。
 スキー場も家から10分程度のところにあり、ホント恵まれた環境だと思います。
 きょうは青縞のウールにクリーム色の綿紬の半衿、渋い草色の袴に鉄色の兵児帯です。 (写真はクリックすると拡大)
2003年10月26日(日)  No.60

肩コリ
 ここ数日ひどい肩凝りに悩まされています。 ご存知のように肩コリは運動不足が原因ですが、デスクワークが続いたせいだと思ってました。
 でも右側だけが痛むし、しかも午前中が一番辛いんです。 よ〜く考えたら、数日前に枕を替えたことに気づきました。 僕は右半身を下にして寝るので、多分マクラがあわなかったんですね。
 夕焼けが美しかったので写真をパチリ。 クリックすると拡大します。
 今日は茶のウールに灰色の裂き織りの角帯。 薄茶の木綿袴と柿色の半衿で。
2003年10月25日(土)  No.59

紅葉のシーズンです
 店前のドウダンツツジ(満天星躑躅)がきれいに紅葉しています。 4月20日の日記にも書いたように可憐な花をつける樹です。 通りの花水木も真っ赤になりました。 城端のツクバネ山系(通称東山)も色づき始めています。 旧国道304号線の五箇山入り口にある道谷(ドウダン)の紅葉はどうでしょうか。 道谷は道路の両側の山が見事に染まるので隠れた名所になっています。 店からだと車で10分ちょっとです。
 夜、高岡短大の特別公開講演会を聴いてきました。「和風ものづくりの21世紀展望」GKデザイン研究所の山口昌伴さんです。
 その後じゃんとこいむぎやのチームMuGAPu~/むぎゃっぷの打ち上げに合流。 気のおけない仲間とワイワイ語りながら飲むのは楽しいものです。

 朝寒かったので、木綿の袷を取りだしてきました。 グレーの織りで、裏地は黒っぽい金巾をつけています。 角帯は裂き織りの黒、袴は焦げ茶の帆布、茶色の足袋にくすんだ黄色の半衿です。
 これらの生地は100センチ巾でそれぞれ\1,470/mと\1,400/mなので、とても安くあがります。
2003年10月24日(金)  No.58

自然に生きる
 妻が東城百合子さんの講演会に行ってきました。 東城さんは重い肺結核で助からぬといわれた命をを玄米食で治癒した体験をもとに、健康運動を始めた方です。 まず沖縄から、そして今では日本中に静かに輪が広がっています。 書店では手に入らない月刊誌「あなたと健康」の主幹でもあります。
 「なぜ難病になるのか?それは天があなたに『気づきなさいよ』というメッセージであり、気づくきっかけを与えてくれるもの」の言葉には納得しました。 というのも息子がアトピーなのですが、彼のアトピーがなければ我が家はこんなに「食」に関心をもたなかったと思うからです。
 大げさなことをいいますが、20年間子どもが全く生まれなければ人類は滅亡します。 妊娠・出産できる世代が絶えるからです。 僕を含めて今の世代は「食」に関してはロクなものを食べてきませんでした。 インスタント食品全盛期に生まれ、現在は薬づけのハウス野菜など栄養価の低いものが普通に流通しています。 欲しくても子どもが産まれない夫婦が増え、僕たちの子どもの世代にアトピーが多いのも当然だと思います。 しかしながら、このアトピーが東城さんのおっしゃるところの「天からの警鐘」だと感じるのです。
 キレる子どもたちは環境も問題ですが、「食習慣」にも関連性があるのだと思っています。 口から直接体内に入る食事にもっと目をむけてください。
 我が家は現在、玄米ご飯を食べています。 みなさんご存じないのですが、良く噛みしめて食べるのでとても美味しいんですよ。

 今日は厚手の木綿きものに半衿は焦げ茶、同色の木綿袴を合わせました。 角帯の替わりに正絹の兵児帯を締めています。 袴の下ですが、ずり下ることも着崩れることもなく、一日を過ごせました。 とっても楽かも…。 見た目にも殆どわからないので、男性諸氏にお奨めします。

『久留米絣の洋服展』好評につき26日(日)まで延長することにしました。
2003年10月23日(木)  No.57

半幅帯
 気軽に締められる半幅帯が人気です。 従前のものより少し長くしてあるので、文庫や貝の口以外の変わり結びも楽しめます。 気軽にまたお洒落に、きもの初心者から達人まで、幅広く使っていただける帯です。
 左より、タイシルクの絣(市松柄)、西陣織りで両面楽しめるもの、インド綿絣、本筑博多の風道楽(玉虫風)、同じく風道楽(黒+灰地)、ネパールのダカ織、十二支を織り込んだ博多織(千年工房)
 他店ではあまり扱っていない織柄が揃っていますので、木綿のきものから紬や小紋まで合わせることができます。

 今日は古大島に焦げ茶の半衿、帆布の袴を履きました。 寒いけど、まだ素足です。
2003年10月22日(水)  No.56

久留米絣の洋服展
 2階ギャラリーで「久留米絣の洋服展」を開催しています(24日まで)。 久留米絣は日本を代表する木綿紺絣で福岡県久留米市一帯で織られています。
 寛政11年(1799)頃、久留米の井上 伝という12歳の女性が考案しました。伝は着古した藍染めのきものが古くなって色が落ち白い斑点になっているのに気づき、これをヒントに新しい織物を考えたのです。 古い着物を解いてみると糸が斑になってます、この糸と同じようにするために、伝は糸の所々を別の糸で括って染めることを思いつきました。日本の絣の始まりです。
 肌ざわりが良く、洗えば洗うほど柔らかくなり、また柄がくっきりと映えてきて、特に白い部分はより白くなります。 普段着には最適な素材と言えましょう。(クリックすると拡大)
 きょうは青い縞のウールに香色(こういろ)の半衿。 辛子色の角帯に灰汁色(あくいろ)の木綿袴です。
【和の色名】http://www.craft-ran.com/kiyobe/kiht/wairo.html
2003年10月21日(火)  No.55

恵比寿講
 毎年10月20日は西上の恵比須講です。 曳山(竹田山)の御神像は恵比須さまで、年に一度黒い小さな恵比寿像をお祀りします。 以前は当日朝より専用の祠を建てていましたが、恵美須会館ができてからはこちらを使っています。 といっても準備はいろいろあるので、午後から集まって飾りつけをしました。
 写真の赤い提灯は各家に長男が生まれたときに奉納するものです、我が子のものもあります。 夜7時に城端神明宮より神主さんをお迎えして町内総出でお祓いを受けました。 いぜんは子ども対象に相撲大会や餅つきなどがあったのですが、近年途絶えています。
 きょうは定休の月曜日ですが、遠くからお客様がいろいろお見えになったのでその都度店を開けました。 もし月曜にお越しになっても家にいることも多いので、一度呼び鈴を押してみてください。
 木綿のきものに五寸帯の角帯をへたれ結びにしました。 半衿は明るい茶色に素足です。
2003年10月20日(月)  No.54

最後のPTAバザー?
 城端小学校学習発表会です。 午前中に子どもたちのステージ発表を見て、PTAバザーのお手伝いをします。 今年はうどん係でした。
 O-157問題でバザーが縮小傾向にある中、城端では子どもたちを楽しませよう&自分たちも楽しもうということで、徹底的な衛生管理の元でバザーを続けています。 今年も大好評で、正午前にはうどんの食券が完売してしまい、急きょ追加発行したくらいです。 写真は喫茶コーナー、賑わっているでしょう。
 でも、次年度より学校の建て直し工事が始まるので、バザーの運営は難しいかもしれません。 ちょっと寂しいですね。
2003年10月19日(日)  No.53

2003城端彩菜まつり
 朝から大慌てでセイタカアワダチソウを火にかけ染液を煮出します。 そうです今日は城端彩菜まつり初日で草木染め体験会を主催するんです。
 早い方は朝9半にはお越しになって準備の様子を興味深げに見ておられます。 母と母の友人と一緒に大わらわで準備をしますが、段取りが悪いせいかてこずってばかりです。 というのも今朝、母が自宅で転び利き腕をねん挫してしまったからです。
 準備は大変だったんですが、アンケート結果を見るかぎり参加されたお客様は喜んでおられたようです。 12歳から65歳まで沢山の方に染めていただきました。 レシピをお付けしたのでご自宅でも楽しんでいただけると思います。 自分たちも勉強になるので年一度くらいはこのような会を実施したいと考えています。
 快晴に恵まれ彩菜まつりは上々の人出です。 「久留米絣の洋服展」にも沢山お越しいただきました(24日まで開催)
 午後にちょっと店を抜け出して小学校学習発表会の準備へ…。 なんとか飾り付けて帰ってきたら、ネットで知りあった方が岡山から訪ねてきてくださって、嬉しくて疲れもいっぺんに吹き飛んでしまいました。
 きょうは厚手木綿のきものに薄茶の半衿。 黒の裂き織りの角帯に、焦げ茶の帆布の袴、陽気に誘われて裸足です。
2003年10月18日(土)  No.52

お祭り日和
 西下の稲荷祭です。 朝から賑やかに笛と太鼓の音が響き、獅子舞が繰りだしています。 道が広くなっても城端町がなくなっても続けられるでしょうね、地域のお祭りは。
 以前調べた城端のお祭り一覧をアップしています。 見づらくて申し訳ありません。
【城端町の祭り一覧】
http://www.craft-ran.com/kiyobe/kiht/tpo13.html
http://www.craft-ran.com/kiyobe/kiht/tpo14.html
 明日から城端彩菜まつりなので、準備に追われています。 「久留米絣の洋服展」と「手近な野草で草木染め」の二本立てです。 さらに明後日の学習発表会の準備をせねばならないのでちょっとフラフラになってました。

 一気に山が色づいてきました。 いよいよ城端の一番気候の良い季節です。
2003年10月17日(金)  No.51

桜が狂い咲き
 ここ数日朝晩とても冷え込んでいます。 にもかかわらず城端小学校敷地の桜が花をつけました。(クリックすると拡大) いったいどうなっているんでしょうか?
 朝「制服フリーマーケット」の受付をしに学校で立ってたんです、そうしたら眼前の枝に白いものがチラホラと…。 まさか?と思って近寄ってみると、そのまさかでした。
 ちなみに制服フリマとは着られなくなった城端小学校の制服を19日の学習発表会で父兄に販売するものです。
 城端小学校学習発表会は子どもたちの演技や作品展示のほかにも、うどんやケーキなどのバザー、スキーフリマ、スポーツ少年団活動展、児童館による遊びの紹介、学校改築ワークショップ報告、地域の人たちとの交流スペースなど様々なことをやっています。
 今年初めての「地域の…」のお世話をしていますが、地域と学校を繋ぐ試みとして定着できたらいいなぁと思います。 ◆子どもたちの夏休み陶芸教室作品展◆ボランティア活動の報告展示◆桜ヶ池自然体験教室報告◆マルボロ市との交流展◆図書館からのお知らせ◆11月18日の三浦雄一郎さん講演会の御案内etc.…。 どなたでも見学していただけますので、どうか足を運んでください。美味しいうどんは250円です。
 今日は青縞のウールにすすけた黄色の半衿、帆布の袴に黒の足袋です。
2003年10月16日(木)  No.50

きもので邦楽鑑賞
 今年も金戸の専徳寺で長唄と笛の演奏会があったのできものを着て出かけました。 米沢の馬下助左衛門(まおろしすけざえもん)さんに織っていただいたグレーの紬。経糸も紬の節糸を使っています。 角帯は五寸巾の手織りのものをへたれ結びにしました。 半衿は手堅く紺、足袋はグレー、鼻緒もグレーの右近下駄です。
 夜七時半の開演より少し早めに着いたのですが、本堂はお客様でいっぱいです。 紬や大島のきもの姿のかたもチラホラ見られます。 みなさん会場の雰囲気を楽しんでいるようにお見受けしました。
 今年は唄;杵屋直吉先生 三味線;芳村伊十七先生、芳村伊十一郎さん 笛;中川善雄先生 藤舎眞衣さん。 演目は長唄「狂獅子」などです。 最初の演目、伊十七先生の作曲による「かわ」(川?)で先生が三味線を弾きながらお唄いになり、声の素晴らしさに感激しました。
 写真は庭に移動して三味線と笛による即興演奏の模様です。 まるで邦楽のジャズですね、お二人の呼吸合わせがこちらまで伝わってくるようでした。
【へたれ結び】http://www.craft-ran.com/wa/hetare.html
2003年10月15日(水)  No.49

柄の半衿
 古裂三昧最終日、平日で天候も良くないのに午前中からお客様が沢山お越しになりました。 ありがたいことです。
 きょうは気分を変えて着流しにしてみました。
 風呂場で湯通しした厚手の木綿に、大幅木綿を袋縫いして作った柄の半衿をつけ、変わった織りの角帯を「へたれ結び」にします。
 女物古着で作った胴着を羽織り、茶足袋に右近下駄…。
 制約に捕らわれなければ男のきものも楽しいものです。

個々についての詳細は【「和」のデータベース】
http://www.craft-ran.com/wa/index.html
を参照してください。
2003年10月14日(火)  No.48

戦争の甘い誘惑
 京都へは金沢からサンダーバードに乗ります。片道二時間ちょっとで快適です。 この時間はもっぱら読書にあてています、往復でハードカバーを二冊は読んでます。 しかし、先日の京都出張で読み切れなかった本があります、内容が濃いので帰宅後一日一章読むのが精いっぱいでした。
 「戦争の甘い誘惑」クリス・ヘッジズ著。 元ニューヨークタイムズの従軍記者で2002年ピューリッツアー賞を受賞しています。
 世界中の戦争(紛争)現場を実際に取材し体験したことを元に、戦争はどのように始まってどうやって続けられるか(大義を維持できるか)を書いてます。
 読み進むうちに自分の無知を恥じました。「20世紀に戦争で死亡した人間は軍人民間人合わせて1億人超」「1915年オスマントルコによるアルメニア人大虐殺200万人」…知らなかった…。
 『戦争物語は殆ど戦争の実態を伝えないばかりか、心に傷を負った者たちの話も無視される。だから次の世代は戦争の実態を教えられることも、引き継ぐこともないままに育つ。そして戦争を知らない世代は、また恐るべき対価を支払って自ら戦争を体験し、そして幻滅を味わうことになる。』
 8/26の日記にも書きましたが、戦争体験を聞いたことのない人間が憲法改正を声高に叫ぶ時代です。 タカ派の2世3世議員達に是非読ませたい良書です。 この本を蔵書に入れた城端図書館に感謝します。何度も読み返したいので購入することにしました。
 「自分たちに同調しないものはすべて敵である」と戦時中すべての国家で情報操作されてきました。 9・11後のアメリカも同様ですね。
★権力に対する人間の闘いとは、記憶が抹消されることへの闘いである(小説家ミラン・クンデラ)
 きょうは寒いので茶の縞ウールに帆布の袴です。 角帯は黒、足袋は茶。 半衿はレンガ色でアクセントにしてみました。
2003年10月13日(月)  No.47

PTA大掃除
 19日は小学校の学習発表会です。 築三十数年になる学校をすこしでもきれいにしようと毎年この時期にPTAで大掃除をします。 もとろん毎日子どもたちが掃除してるのですが、高いところや窓はなかなかできませんから…。
 例年保護者と先生だけなのですが、今年は高学年児童も仲間入りしました。 子どもと一緒だと普段窓なんか拭いたことの無いお父さん達も張りきるようです。 効果てきめんでした。 日曜の朝8時という時間にもかかわらず、沢山の参加でした(例年は朝7時)
 担当の委員長が女性でこまやかな気配りをみせ、ガラスクリーナー無しでの水ぶき&カラ拭き仕上を推奨していただきました。 子どもの肺には界面活性剤のあの霧は入れたくありません。 そうはいってもいつもの習慣で使ってしまう親御さんが多かったんですけど。
 きょうは古い大島に薄黄のざっくりした木綿半衿。 黒の角帯に素足。 茶色の木綿袴をバッテン結びにして。
【ちゃめっけたっぷり「×結び」】http://www.craft-ran.com/wa/x-musubi.html
2003年10月12日(日)  No.46

きものの似合わない場所
 納品の帰りに映画のレイトショーを観てきました。 「マッチスティック・メン」リドリー・スコット監督作品です。 最後のオチがまったく想像してなかいものだったので楽しめました
 それはそうと、上映までの間イオンS.C.でぼーっとしていたんですけど、夜9時を回ってるというのに子どもを連れた家族連れが多いんですね。ビックリしました。 土曜の夜とはいえ、いかがなものかと…。
 それにしても、ショッピングセンターでのきもの姿は浮きます(^^; 深緑のコサシルクに正絹濃い茶の袴。辛子の角帯に刺し子風の色半衿、足袋はグレーでしたが、周囲から奇異の目で見られてました。 まち中を歩くときは違和感ないのですが、どうもSCはいけません。
 待ち時間にあれこれ考えました「民族衣装が似合わない場所はその国の伝統文化を否定しているエリアなんじゃないか?」と。 どう思います?
 写真はようやく仕立上がってきた江戸小紋の袷です(8/12の日記参照)。 珍しく正絹の裏をつけました。 早く袖を通したくてウズウズしてます。
2003年10月11日(土)  No.45

江戸縮緬のきもの
 古裂三昧も三日目、遠くから沢山の方がお越しくださっています。 今年は帯がよく出るようです。 実際に着用なさるときに帯なら寸法が合いますからね。
 写真は今年の目玉のひとつ小豆色の江戸ちりめんのきものです。 老松に藤、滝に流水模様で、裾におおきく朱のフキを出し、金糸の刺繍で紋が入っています。 状態もよいので、このまま衣桁に掛けて飾られると素敵ですよ。

 夜はクラブJoyの「和と洋の手作り教室」の第一回目のお手伝いに妻が行きました。 いくつかのオリジナルキットのなかから選んでいただいて、手作りを楽しみます。 講師は福野町の丹羽やす子さんです。 小学生から大人まで幅広い申し込みがありました。
 クラブJoyとは町民がいつでも、どこでも、誰とでも「楽しめる」スポーツ活動や文化活動の場です。
【クラブJoy】
http://www.town.johana.toyama.jp/home/sport/joy.htm

 きょうは暑かった、お客様の中には半袖Tシャツ姿の方もおられます。 縞の木綿きものに焦げ茶の半衿、黒の角帯に茶色の袴、素足でした。
2003年10月10日(金)  No.44

新端末導入
 城端フラワーカード会は、カードシステムによるお客様へのポイント還元をしています。 100円枚に1ポイント(1円)進呈し、いつでも加盟店で使うことができます。 もちろん当店も加盟しています。
 以前の端末が老朽化してきたので、思いきって新機種を導入しました。 SATOのCD-208です。 といっても上位互換性があるので、以前のポイントカードはそのまま使えるのでご安心ください。

 きょうは厚手木綿のきものに厚手帆布の袴。 角帯は辛子色、半衿は明るい茶色です。
 「都会じゃないと(普段に着る)木綿のきものって売ってないと思っていた」とお客様に喜んでいただきました。 カジュアルきものがもっと浸透するととても嬉しいし楽しいですよね。
2003年10月9日(木)  No.43

古裂三昧
 今日から古裂三昧(こぎれざんまい)です。 14日まで無休で開催します。 昨年以上にきものを着用するために探しに来られたお客様が多いです。 普段のきもの復権ですかね。 とても嬉しいことです。
 賑わってる会場の写真もあったのですが、記録用に撮った小物類の写真がよかったのでアップします。 虫籠桟から入った陽の光がとても美しい。
 きょうは古大島の袷に茶の半衿。 黒い裂織りの角帯に横段正絹の袴。 足袋は茶色です。
 もし売れ残ったら自家用に…と狙っていた角帯と袴(数点ずつありました)があっという間に売れてしまいました。 嬉しいような口惜しいような…。
 商品は昨年に引き続いてまたまた追加発注しましたので御安心ください。
2003年10月8日(水)  No.42

城端絹と伊勢型紙
 明日から古裂三昧(こぎれざんまい)です。 一年に一度だけアンティークきものや帯を大放出します。 ファンも多く、この会を楽しみにしてくださってる方も沢山いらっしゃいます。
 今回は「城端絹と伊勢型紙展」を同時開催します。 城端は絹織物の産地として知られています。羽二重を中心に絽や紗も織っていた時代があり、紗は小紋染の型紙の補強用にも使われました。
 型紙のほとんどは伊勢(現在の鈴鹿市)で彫られます。美濃和紙を縦目横目交互に3〜4枚柿渋にて張り合わせます(柿渋は防水と紙を強くする効果があります)、鋭利な刃物で「錐彫」「突彫」「引彫」「道具彫」して型をつくり、最後に目の粗い紗(釣地)を張って補強します。
 今回城端→伊勢→京都と産地を流れていった紗入りの様々な模様の伊勢型紙25枚を展示します。 里帰りした城端絹をご覧ください。
 なお会期は古裂三昧同様10/14(火)までとなります。
2003年10月7日(火)  No.41

手近な野草で草木染め
 10月18日に彩菜まつりの体験メニューのひとつとして「手近な野草で草木染め」を準備しています(9/8の日記参照)。 この時期に大量発生する困った外来種セイタカアワダチソウを使って、厚手のランチョンマットを染めます。
 何度めかのテスト染めをしてみました。 いかがでしょうか?なかなか良い色でしょ。 ブロック柄と横段柄のお好きなほうを染めていただく予定です。
 参加費は500円(材料費込み) 当日も受け付けますが、混みあいますので、できれば事前予約を戴ければ幸いです。 お申し込みお問い合わせは電話もしくはメールにてお願いいたします。
 染め方を紙に書いてお渡ししますので、御自宅へかえって簡単に染めることが可能です。 なお見学は自由ですので、お気軽にお越しください。
【最新イベント情報】http://www.craft-ran.com/ht/event.html
【城端彩菜まつり】
http://www1.tst.ne.jp/johana-k/event/saisai.html
2003年10月6日(月)  No.40

最後の運動会
 城端保育所の最後の運動会に行きました。 来春町内の6つの保育所を統合して城端さくら保育園になるからです(7/15と8/16の日記参照)。
 保育所の先生が「これだけ近くで子どもたちの顔を見て応援できる運動会も最後です」と挨拶され、夫婦して目が潤んでしまいました。 最後に園児と観覧者で手をつないで踊ったんですが、例年に無い大きな輪ができました。 他の保護者の方も思いは同じだったのでしょう。 みんな最後に園庭で記念撮影していました。 天候にも恵まれ小さいけれど本当に楽しい運動会でした。
 小さな小さなコミュニティの輪がまたひとつ無くなっていくのが寂しいです。 我々は捨ててはいけないものを捨てているのではないかと強く思います。
2003年10月5日(日)  No.39

ち一庵
 小杉町の旧市街、戸破(ひばり)荒町の「ち一庵」(森永酒店内)を訪ねました。 三月にグランドオープンしてから初めての訪問です。 店主の森永醸治さんとは以前から情報交換をしています。
 建物の造りを生かしたしつらえに驚きました、店主と奥さんの裕子さんのいい意味でのこだわりにも…。 自然と同好の士が集まるらしく、県内各方面の作家さんたちが出入りしています。
 珈琲を飲むこともできますので、気軽に立ち寄られたらいかがでしょうか。 近くには90年前の銀行を改修した町民展示館もあり、すばらしい内装での書道展を拝見してきました。
 茶系の縞ウールに焦げ茶の袴。 辛子の角帯にくすんだ黄色の半衿。 酒袋のバッグに茶の右近下駄でカランコロンと近くを散策しました。 土曜というのに町中には来街者が見当たらず「城端は恵まれている」と思った次第です。
2003年10月4日(土)  No.38

小学生からの手紙
 城端小学校三年生のみんなから写真と手紙が届きました。 いろいろな字体で「お店のことがよくわかった」とか「また行ってみたくなった」と書いてます。 みんな一所懸命に聞いていてくれたんですね、とても嬉しくなりました。 9/24の日記に、子どもたちに理解してもらえたか心配と書きましたが杞憂だったようです。
 この子らは親の世代も含めて「城端町」に生まれ育ちました。 彼らが大好きだという「城端」の名をなんとか残したいものです。
 寒いのでとうとうウールを引っ張り出してきました。 青縞のウールに黒の角帯。 薄黄の紬風木綿の半衿にこげ茶の帆布袴です。
2003年10月3日(金)  No.37

京都南座十月大歌舞伎
 朝8時半に京都駅に到着し大急ぎで問屋さんを回って南座へ、今日が初日の歌舞伎を観るためです。 メインの配役は坂東三津五郎さん。 演目は双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)の一幕「角力場(すもうば)」、立松和平さん作「道元の月」、再茲歌舞伎花轢(またここにかぶきのはなだし)と題した3舞踊「武内宿禰(たけのうちのすくね)」「網打」「申酉」です。
 あまり期待はしていませんでしたが、やはり期待以上のものは無かったカモ(^^; 「網打」で大ダコと絡んで踊るシーンが一番ウケました(「クレクレタコラ」みたいだった) 演技では片岡秀太郎さんの「松下禅尼」が光ってました(…ってエラソーに)
 席はもちろん三階の3等席。 真ん中の最後尾の通路側席を指定しました。 横に手荷物を置けるし、ラクなんですここ。 写真を見てください、すっごい高いでしょ。 でも良く見えるし、声も明りょうに聞き取れます。 でも、きものを見るための双眼鏡とイヤホンガイドは必須です。
 両脇を見ると、おじさん2人とお兄さんが2人、そう大向こうで「成駒屋っ!」って声を掛けている人たちです。 以前はこの人たちって雇われているんだと思ってましたが、終演後一緒に南座を出たときに「いやぁ〜寝ちゃったよ」って話してたので、どーもプロではなさそうです(笑)
 桟敷席には祇園(?)のきれいどころがズラリと並んで、華やぎを添えていました。 平日の昼間ということもあり、きもの姿のお客さんはあまり多くなかったのですが、紬や小紋から訪問着までちゃんと居られましたよ。 僕は厚手木綿に木綿袴。 織り模様のある半衿に辛子色の角帯。 茶色の足袋に右近下駄です。
 南座を出て、市バスに乗ろうと足を早めた途端、鼻緒がブチッっと切れてしまいました。 幸い近くに「伊と忠」さんがあったのですげてもらいました。 タスカッタ…。
2003年10月2日(木)  No.36

「城端」を残そう!
 市町村合併の説明会に行きました。 新たな地名は、現在の案ではウチは「南砺市 城端 499番地」になります。 しかし、たとえば城端町蓑谷の場合「南砺市 蓑谷…」、野田の場合「南砺市 野田…」というふうに、「城端」の名前が消えてしまうことになってます。 これは容認できることではないと考えます。 説明会でも同様の意見が出ました。
 8/21の日記にも少し書きましたが、城端は町村合併50年経ちようやく「マチとサト」意識がなくなり、住民挙げてまちづくりの気運が高まっている今この時に、すべてを御破算にして一からやり直すことの愚かさ…。
 全町会議員および婦人会なども現案には反対しているそうです。 にもかかわらず「城端」を消そうとするのはどうしてでしょうか? 「地域のことは地域で決める」のが地方自治の大原則のハズ。
 町長は「こんなこと(本当は`こんなこと`レベルの話ではないのですが…)で全会一致の合併協議会を壊したくない」と言いますが、「城端市」を主張しているならまだしも、このことで協議会が紛糾するとは思えません。
 利賀村と城端町だけが旧町村名を残して欲しいと言ってるそうですが、僕は他の六町村がなぜこだわらないのか不思議でなりません。 裏を返せば城端は町民のベクトルが同方向に揃っている素晴らしい町だということです。
 クラスター方式とやらで中心を置かない南砺市なればこそ、各地域が輝かないことには、ただ広いだけの「散居市」になってしまうのではないでしょうか?

 今日は片貝木綿の縞に薄茶の袴腰なし袴。 黒に近い茶の半衿に、横段の角帯をへたれ結びにして…。
 だまし半衿の作り方をアップしました。
【「和」について話しませんか】http://www.craft-ran.com/bbbs/tboard004.cgi
2003年10月1日(水)  No.35

++美しい装い きよべ++

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