新聞やテレビで「無料」着付け教室の生徒を募集しています。 タレントや著名人を前面に出し、関係団体の“後援”もとって、あたかも公の団体のように見えますが、実体は違うようです。 「無料であるのは織物組合や企業からの後援・協賛金があるから」となってますが、現在青息吐息の組合や企業にそんな余力はありません。 実際はいくつかの企業が結託し、着付教室の生徒さんに商品を買っていただいた利益の一部で運営しているのが実情です。 セミナーと称した産地視察で、割高の商品を「市価より安い」と偽って販売したり、修了記念パーティーのきものをかなり強引に販売しているという話を聞いています。 むろん勇気があればキッパリ断ることもできるのですが…。 なぜ、同業者のことをここに書いたかと言うと、自分が良い子になりたいからではなく、せっかくきものが好きになりかけた方々を着物離れさせるような商法が我慢ならないからです。 販売が主目的であれば、ちゃんとそう謳うベキです。 「ややこしいギョーカイ」という目で見られてるような業界の未来は暗いです。 本来なら売れていて体力があった時代に、本当の「無料着付教室」を開いて、きもの愛好家の裾野を広げておかなくてはならなかったのに、と無策が悔やまれます。 きょうはタートルネックセーターの上に木綿のきものを着流して、角帯無しでギャルソンエプロンという軽快?な装いです。
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2005年2月25日(金)
No.567
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