伊勢木綿(いせもめん) 伊勢(三重県)に産出する木綿織物の総称

 起源は室町末期の文禄年間(1593〜1596)に安濃郡で綿花を栽培し、これを紡いで織り出したのが始まりという。

 安濃津城主藤堂高虎公により産業の振興が図られ、やがて各地に広まり、縞木綿、紺木綿、白木綿が農家の副業として盛んに織られるようになった。

 江戸時代には津を中心とした地方のものを伊勢縞と称し、松阪地方のものは松阪木綿と称したが、津や松阪の商人が買い集め、江戸をはじめ各地に売りさばいたことから、特産品として知られた。

 質のよい庶民の普段着として愛用されたが、現存する織元は1軒のみ。

 

 
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この事典は「染織事典 中江克己編 泰流社刊」からの抜粋です

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