井波紬(いなみつむぎ) 富山県南砺市井波で織られていた紬織物

 井波では天正年間(1573〜1592)に居座機で生絹を織っており、文政年間(1818〜1830)から紬織が始まったといわれる。

 井波紬は手紡ぎの太糸を用い、刈安など植物染料で主に茶褐色に染めて織り上げたもので、独特の風合いを持っていた。 そのため着尺や茶人のコートなどに用いられたという。

 最盛期は大正年間だが、その後衰退し、昭和19年に消滅した。

 

 
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この事典は「染織事典 中江克己編 泰流社刊」からの抜粋です

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