となみ民藝協会の学習会に参加しました。 来年6月上旬に南砺市で開催される民藝の全国大会に向け、知識を共有するのが目的で、講師は太田浩史さん(となみ民藝協会長)です。 会場の大福寺(南砺市大窪)に入ってみると、民藝のことを良く知る諸先輩ばかり…、気後れしながら末席に座らせていただきました。
太田さんはまず「市場原理主義の崩壊」の話をし、金融経済→実体経済→本物経済へと推移するだろうと予測しました。 演題が「柳 宗悦の民藝美論」なので、え?と感じたのですが、日頃から僕も考えていたなのでストンと入り込みます。 「今後は一極集中が是正され、地域経済中心の社会となるだろう」とのことです、僕の願望とも一致します。
1時間におよぶ長くて興味深い前フリの後、本題に…。 柳先生がなぜ「民藝運動」を提唱するに至ったのかを年譜と見比べながら学習します。
・学習院高等学校・東京帝国大学を一番で卒業し、当時最先端の学問である哲学から、宗教哲学に入り込む。 ・淺川伯教・巧兄弟との出会いの課程で知った「李朝の壺」に感激し、当時日本の植民地となっていた朝鮮独立を擁護。 ・木喰仏と日常雑器(下手物)の美しさに共通点を見出し、民衆的工芸(folk craft)を略した「民藝」を河井寛次郎・濱田庄司とともに提唱。
と、ここまでが今夜の学習範囲、後半は来月です。 書き出すとたった三行ですが、大学の講義を受けてるような密度の濃い内容で、あっという間の3時間でした。
柳先生が凄いのは、明晰な頭脳で考察するのみでなく、現地に足を運んでモノを見てるってことです。 「有限のかたちを通して無限なるものに触れることができる」は柳先生の言葉です。 逆に言えば、その土地が持つ風土(いわゆる土徳)を無視して、良いものづくりはできないってことじゃないかと理解しました。
作家と職人は違います。 布教師である作家と違い、職人は他力や土徳の力をバックボーンに良い仕事ができるのでしょう。 「仕事が仕事をする」とも云うそうです。 なるほど…。
とても有意義な勉強会でした、これで茶菓子付きの1,000円は安い。 ん?よく考えたら…入ったばかりの僕の為の勉強会だったような気がして恐縮しております。 次回2月21日(土)どなたかご一緒しませんか?
いま民藝が再び見直されている様子、そういえば昨日のNHK美の壺も「民芸」でした。 城端別院境内(?)で撮った写真が映っていて、南砺が民藝の聖地であったことを再確認。 きょうは茶に白糸を織り込んだ木綿に焦茶の半衿、辛子の角帯に帆布の袴、ダカ織のストールに焦茶の足袋、リストウォーマー装備です。 (ブルーの文字をクリックすると関連ページへリンクします)
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2009年1月17日(土)
No.2018
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